人間ドック

人間ドックとは

人間ドックとは、全身で起こり得る病気の早期発見・予防を目的とした検査のことです。従来は検査のために数日間の入院が必要でしたが、近年は日帰りもしくは1泊の入院で検査できるように変わってきております。なお、人間ドックは健康診断のように法律で実施が義務付けられているものではなく、自由診療の扱いとなります。

多種多様な診察・検査を行って体内の状態を詳細に確認することで、健康状態を可能な限り正確にチェックすることを目指します。また、医師や専門スタッフから懇切丁寧に結果をご説明し、改善に向けてサポートさせて頂きます。場合によっては、他の医療機関で追加検査やより専門的な治療を受けて頂くことをご案内することもあります。

人間ドック学会によって決められている基本的な検査項目は、生活習慣病やがんの発見・予防を目的とするものが大半です。生活習慣病やがんを発症して間もない時期は明確な自覚症状がほとんどなく、知らない間に病状が悪化してQOLの低下を招くだけでなく、最悪の場合は命に関わる事態にも繋がりかねません。

人間ドックと健康診断の違い

いずれも身体の状態を確認するものですが、一見同じように見えても複数の相違点があります。以下にまとめておりますのでご参照ください。

人間ドック 健康診断
目的 生活習慣病の早期発見、健康状態の確認はもちろんのこと、健康診断ではカバーできないがんなどの全身疾患の早期発見を目指します。 生活習慣病の早期発見、健康状態の確認を目指します。
検査内容 人間ドック学会によって決められている項目の他、複数のオプション検査を追加可能です。
※中には法定検査の項目のあるため、定期健診の代わりに受けて頂くこともできます
労働安全衛生法によって決められている法定検査を実施します。
法的義務 受診が義務付けられているものではなく、自由診療の扱いとなります。 年1回の定期健診を必ず受診することが決められています。
費用 詳細はそれぞれの健康診断の費用をご参照ください。
なお、助成金や補助金の受給対象となる場合もありますので、お住まいの自治体や勤務先へご確認ください。

人間ドックを受けるメリット

定期検診や特定健診よりも、人間ドックでは多様かつ詳細な検査が可能です。様々な部分を検査することで、健康診断では見逃しがちな病気の予防や早期発見に効果を発揮します。

例えば、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病は、あまり進行していない状態では明確な自覚症状がほとんどないと言われています。また、がんも時間をかけてゆっくりと進行していくケースが大半です。こうした病気を発症間もない時期に発見し、早期治療が実現できれば、完治の確率が大きく上がりますので、人間ドックの受診が推奨されています。

受診できるタイミングや年齢に特に条件はありません。人によってはご自身の誕生日に年1回の頻度で受診される方もいらっしゃいます。

健康保険が適用されないため、受診費用はご自身で負担する必要がありますが、お住いの自治体、契約中の保険会社、加入中の健康保険組合・健康保険協会によっては、助成金・補助金の受給対象となることもありますので、一度確認されることをお勧めします。

また、当院だけでなく人間ドックを実施可能な医療機関では、様々なオプション検査のラインナップがあります。オプション検査によってご自身の健康状態や違和感がある部分をより詳しく検査することができます。なお、オプション検査は全ての方が受診しなければならないものではありませんが、年齢や性別によって受診した方が良い項目がありますので、ご自身の状況と照らし合わせて受診をご検討ください。

人間ドックで分かる病気

人間ドックの基本検査項目で分かる病気には以下のようなものがあります。

内臓疾患

心臓病、呼吸器疾患、脾臓疾患、胆のう疾患、腎臓疾患、肝臓病(ウイルス性肝炎など)、泌尿器(尿道や膀胱)疾患、膵臓疾患

生活習慣病

糖尿病、メタボリックシンドローム、痛風、脂肪肝

がん

肺がん、食道・胃・十二指腸がん、肝臓がん、大腸がん、子宮がん、乳がん、胆のうがん、膵臓がん、泌尿器系のがん など

その他

難聴、梅毒、眼科疾患

消化器系専門病院ならではの人間ドック

当院は、胃・十二指腸、食道、大腸といった消化管の診療に特化した医療機関であり、消化器系のがんを早期発見できるよう努めております。

人間ドックのプラン

検査分類 検査項目 人間ドック1日コース 人間ドック2日コース
問診 既往歴と業務歴調査
自覚症状と
他覚症状の有無
医師による問診 診察・聴打診
身体計測 身長測定
体重測定
腹囲測定
BMI指数
標準体重
視力  
聴力 左右オージオ1,000Hz
左右オージオ4,000Hz
血圧 最高/最低
心電図 心電図(12誘導)
胸部X線
尿検査
蛋白
ウロビリノーゲン
潜血
便検査 潜血(2日法)
※ドック1日目に検査キットをお渡ししますので、後日提出していただきます。
肝機能 AST(GOT)
ALT(GPT)
γ-GTP
LDH
総蛋白
アルブミン
総ビリルビン
直ビリルビン
コリンエステラーゼ
高脂血症 HDLコレステロール
LDLコレステロール
中性脂肪
糖尿 血糖
HbA1c
血球 白血球数
ヘモグロビン
血小板数
腎機能 尿酸
クレアチニン
尿素窒素
eGFR
膵臓 アミラーゼ
電解質 ナトリウム
カリウム
コロール
炎症反応 CRP
食道・胃・十二指腸 上部消化気管内視鏡検査
小腸・大腸 下部消化気管内視鏡検査
※ドック1日目に、2日目の日程を改めて決めていだだき、検査は2日目となります。
金 額(税込み) 46,000円 75,000円

豊富なオプションもご用意

オプション
検査分類 検査項目 金額(税込み)
胸部CT 15,000円
肝臓、胆嚢、膵臓
腎臓、脾臓、大血管
腹部CT 15,000円
色覚 色覚検査 550円
肺機能 スパイロ検査 3,300円
赤血球恒数検査 赤血球恒数(MCV・MCH・MCHC) 1,650円
腫瘍マーカ PSA 1,500円
CA19-9 1,500円
CA125 1,500円
CEA 1,500円
甲状腺検査 FT3/FT4/TSH 3,490円
甲状腺超音波検査 3,800円
ヘリコバクター・ピロリ菌抗体 800円
ヘリコバクター・ピロリ菌
ウレアーゼ迅速
600円
肺・気管支 喀痰細胞診 3,300円
肝炎検査 HBs抗原・HCV抗体 6,600円
梅毒検査 TPHA法・RPR法 3,300円
ウィルス抗体検査 風疹・麻疹・水疱・ムンプス 13,200円
細菌検査 検便3項目セット
赤痢・サルモネラ・O157
※健診日に検査キットをお渡ししますので、後日提出していただきます。
19,800円
検便2項目セット
O111・O26
※健診日に検査キットをお渡ししますので、後日提出していただきます。
8,800円
検便2項目セット
パラチフス・腸チフス
※健診日に検査キットをお渡ししますので、後日提出していただきます。
4,400円
検便 MRSA
※健診日に検査キットをお渡ししますので、後日提出していただきます。
7,150円

患者様の生活習慣や年齢に応じて、多種多様なご要望を叶えられるように様々なオプションを取り揃えています。自分が受けるべき検査について教えて欲しいなど、些細なことでもお気軽にご質問ください。

人間ドック当日のご注意

  • 人間ドック 当日は、朝ごはんを午前8時ごろまでに、済ませて下さい。それ以降の食事はできません。
  • 昼食は、中止してください。ただし水分摂取は構いません。
  • 水分摂取は、脱水症状を防ぐために、ドックが始まる2時間前まで可能です。(お水やお茶をお勧めします。)
  • 糖分を含んだジュースやコーヒー、紅茶など、カフェインを含んだ飲み物お避け下さい。
  • 喫煙されている方は、健診日 当日は喫煙は中止してください。
  • 朝食後に服用している薬は、通常通り、薬を飲んでください。
  • 昼食後に服用している薬は服用せずに、持参してください。

苦痛の少ない内視鏡検査

当院は、鎮静剤を用いてウトウト眠ったような状態で検査を受ける検査を行っています。過去に内視鏡検査でつらい経験をされたかたも是非ご相談ください。

万が一、異常が見つかった場合のフォロー体制も充実

 

当院では内科も併設しており、土曜日の診療も可能です。健診後のアフターフォローや追加検査についても当院へお任せください。

毎年の人間ドックを習慣としましょう

一定の周期で検査を受けることで、ご自身の健康状態をしっかりと確認しておくことをお勧めします。特に、自営業の方、妊娠出産で退職した女性はあまり検査を受けられていない傾向にあります。

年一回の健康診断の受診が大原則ですが、健康診断では発見しづらい病気も考慮して、人間ドックもあわせて受診されると良いと思います。病気を早期に見つけられれば、治療による経済的・身体的負担を軽減することにも繋がります。なお、病気の種類によって進行速度はまちまちですので、前年の検査で異常が見つからなくても今回の検査で異常が見つかるといったケースも珍しくありません。したがって、なるべく長く健やかな生活が送れるように、定期的に検査を受けることが望ましいと言えます。

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