直腸脱

直腸脱について

主な症状は肛門から直腸が飛び出すことです。
それに伴い肛門が閉まらず便が漏れること、そして排便・排尿障害などをきたす症状のことを直腸脱と呼びます。

原因

直腸脱の一番の原因とされるのが、“骨盤底筋群”といわれる筋肉や それに付着する靭帯群が“ゆるんでしまう”ことで起きる症状になります。
その一番の原因とされるのが、「加齢、筋力低下、生活習慣、出産、仙腸関節障害等」になってきます。
元来、やせ型だった方(筋力低下を起こしていた方)や加齢、および肥満というのが要因になるといわれています。

直腸脱症状

症状としては直腸の脱出、便漏れ、排便障害が主となります。
直腸が脱出することにより、骨盤内に異物感や圧迫感を感じたり、初期段階では、腰の周りに痛みや不快感が生じることがあります。
また、便秘、便意感の欠如、排便困難などが見られる場合や、直腸が尿道に圧迫をかける可能性があり、頻尿や尿漏れが生じることがあります。

治療しない場合の経過

脱出した腸が傷ついて出血したり、戻りにくくなる可能性があります。
慢性的に肛門括約筋が引き伸ばされるため、肛門を締める力がさらに低下していきます。

直腸脱の治療

直腸脱の症状の軽減や合併症の予防のために、患者様の状態と症状の程度に基づき、最適な治療法を提案します。治療の第一段階として、食事改善や水分摂取の増加、適切な排便習慣の確立などをアドバイスします。
また、骨盤底筋群のトレーニングや腹圧調整法などの物理療法によって、直腸の位置を正常化し、症状の改善を図ります。 リハビリテーションとしては“骨盤底筋トレーニング”、“姿勢調整”等があります。 骨盤底筋トレーニングと姿勢の調整を行うことで、筋肉を適切な形で使用し筋肉に刺激を入れていくことで下腹部臓器を支え、症状を軽減していこうというのが、リハビリテーションの一番の目的となります。まず、骨盤底筋トレーニングについて紹介します。 また、骨盤底筋群のトレーニングや腹圧調整法などの物理療法によって、直腸の位置を正常化し、症状の改善を図ります。

ドローイン(ブレーシング)法

  1. 楽に仰向けになり腹式呼吸をする。
  2. “吸う”時にお腹を膨らませる
  3. “吐く”時に最大限お腹を凹ます。
  4. お腹を締める。← この際にお尻の穴を最大限締めたまま息をフーッ”と細く吐き続ける
  5. 5秒間程度キープ。(息は細く長く吐き続ける)

四つ這い法

  1. 四つ這いの状態になる。
  2. 四つ這いのまま最大限“息を吐く”(お腹を凹ます)。
  3. 最大限“息を吸う”(お腹を膨らます)。
  4. お腹を締める。← この際にお尻の穴を最大限締めたまま息をフーッ”と細く吐き続ける。
  5. 5秒間程度キープ(息は細く長く吐き続ける)

姿勢調整に関しては、理学療法士がその対象者の身体的特徴を評価し、その対象者にあったストレッチングやトレーニングを処方するオーダーメイド式となります。お気軽に医師または当院スタッフまでお問い合わせください。
重度の直腸脱や生活習慣の改善を図っても効果が見られない場合は、外科的な処置が必要となることがあります。手術の種類は、脱出の程度や患者様の状況に応じて選択されます。骨盤底筋群を強化する手術や脱出した組織を修復する手術、脱出を補完する人工の支持物(メッシュなど)を挿入する手術などが行われることがあります。手術後には、適切なケアやフォローアップにより、早期の回復と再発予防をサポートしていきます。

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