リハビリテーションとは、シンプルに訓練を意味するのではなく、障害をお持ちの方ができるだけ従来の日常生活を送って頂けるようにすることを目指すものです。障害そのものを軽くするための機能訓練によって、患者様が日常生活において意識的に身体を動かすことも大切です。そして、身体に不自由が残っても不安がない形で日常生活を送って頂けるように環境を整えることが重要となります。
当院のリハビリテーションの取り組み
当院では、ケガや運動器の手術の後の機能回復はもちろんのこと、嚥下障害、脳血管疾患が原因となる日々の動作、パーキンソン病など変性疾患に対するリハビリテーション、高次脳機能障害などのリハビリテーション、義肢や装具の調整・作成に対応しております。
リハビリテーション科専門医、理学療法士、といったエキスパートが患者様それぞれにマッチするリハビリテーションメニューを検討し、訓練をサポートさせて頂きます。
ストレスや日常動作の不自由を取り除き、健やかな生活を送って頂けるように診療を行います。
当院のリハビリテーションの特徴
当院の体制は以下の通りです。
リハビリテーション専門医 | 1名 |
---|---|
作業療法士 | |
理学療法士 | 2名 |
言語聴覚士 | |
計 |
リハビリテーションを行う事が出来る期間について
疾患別(外来)リハビリテーションでは、それぞれの疾患に応じてリハビリテーションが可能な期間(算定期間)に違いがあります。
疾患別リハビリテーション | 算定日数(リハビリテーションが可能な期間) |
---|---|
廃用症候群リハビリテーション | 診断・急性増悪から120日以内 |
脳血管疾患等リハビリテーション | 発症・急性増悪・手術もしくは最初の診断日から180日 |
運動器リハビリテーション | 発症・急性増悪・手術もしくは最初の診断日から150日 |
リハビリの流れ
初診の方
1
原則はHPよりWEB予約をお願いしておりますが、電話予約もしくは直接のご来院でも構いません。また、ご来院の際は紹介状の持参をお願いいたします。
2
受付が終わりましたら、問診・診察・レントゲン検査や血液検査などを実施し、初回評価日を決めます。
3
セラピストが初回評価・カウンセリングを行い、リハビリ計画を検討します。
4
リハビリの予約をお取りください(最短で初回評価の翌日から設定可能です)。
リハビリ予約のある方
1
受付と診察を終えましたらリハビリ室まで来て頂きます。
2
リハビリが終わりましたら、次回の予約を取って頂きます。
*医師法第20条に基づき無診察診療は禁止されているため、医師の診察は不可欠です。
*担当医師とセラピストが一丸となって最適なリハビリプランを考えております。
*患者様の進捗状況やご希望に応じて、リハビリプラン追加や修正は可能です。
*前回のリハビリから6ヶ月以上空いている場合、再び問診と診察をしてからリハビリプランを作り直します。
リハビリテーションの注意点
医療や介護の現場で行うリハビリテーションは、ケガや病気の後に行うことでこれまで通りの生活や動作を取り戻せるようにすることを目指します。 その際は、100%元と同じ状態を目指すのではなく、現状を考慮してベストな状態を目指すことが基本です。 リハビリテーションは魔法のように簡単に元の状態に戻せるものではありませんので、ご理解頂けますと幸いです。
運動療法
筋力や柔軟性を高めることで痛みを軽減させます。痛みが減ることで日常動作の支障が無くなるというメリットがあります。
運動療法は症状を軽減させることはもちろん、日常生活の支障を取り除くことを目標とします。
理学療法士の指導の下で、筋肉、関節、靭帯などにかかる負担が最小限になるようにコントロールし、患者様それぞれにマッチした最適な治療内容を検討します。
また、動作で守って頂きたいこと、ご自宅でも取り入れられるエクササイズやストレッチなどを丁寧にアドバイスいたします。
筋力がアップし身体を適切に動かせるようになることで、適切な姿勢を容易に維持できることにも繋がり、動作で身体にかかる負担も最小限に留まります。
また、全身の血行が改善されることで基礎代謝が向上すると考えられます。
全身のバランスに注意して運動メニューを検討しますので、ご自身では鍛えることが難しい部分もしっかりと鍛えられるようになります。
全身のバランスが整うことで身体への負担も最小限となり、転倒防止などの効果も期待できます。
物理療法
多種多様な医療器具を用いることで、筋肉の緊張や痛みを軽減します。深部にも集中的に作用するマッサージ・温熱・血流改善などが期待でき、運動療法との相乗効果もあるとされています。患者様の既往歴や病状を考慮して使用する器具のモード、強度、時間などを緻密にコントロールします。
物理療法が制限されるケース
- 深刻な血管・心臓疾患を患っている
- 心臓ペースメーカーを装着している
- 悪性腫瘍を治療している
- すり傷・切り傷・皮膚疾患がある
- 痙攣発作を起こしたことがある、起こす可能性がある
- 妊娠中もしくは妊娠の可能性がある
- 急性期状態の疾患を患っている
- その他、医師が制限すべきと判断する場合
当院で行っている主な物理療法
温熱治療(フィジオパック)
患部をゆっくりと温めることで、緊張していた筋肉が弛緩します。血行が改善されると栄養素や酸素が身体中に行き渡ります。そして、老廃物と一緒に痛みの原因となる物質も排出されて、代謝改善や痛み軽減の効果が期待できます。フィジオパックは5種類の鉱石(テラ鉱石、ゼオライト鉱石、ゲルマニウム鉱石、ブラックシリカ、トルマリン)と磁器セラミックボールを合わせることで高温状態を長く維持して適度な温かさが持続します。
超音波治療器・超音波骨折治療器
超音波骨折治療器と超音波治療器の2役を兼ねた機器は、患部の軟部組織を効率的に治療できる低出力超音波であり、表層から深部まで幅広くカバーすることができます。また、音圧効果によって骨折した患部が時間をかけずに骨がくっつくように促します。
秒間数百万回のミクロマッサージ効果で患部の奥深くをピンポイントに刺激することや、患部の奥深くをピンポイントに温めることが可能な立体加温の効果が期待できます。